お知らせ

2019年10月14日

【校長ブログ】国語論争と『AIに負けない子どもを育てる』

 10月14日の朝日新聞朝刊に「高校の国語、文学を軽視?」という記事がありました。令和4(2022)年度から学年進行で実施される新しい高等学校学習指導要領(以下「新学習指導要領」という。)の国語の科目再編をめぐり、日本文学の研究者などから懸念の声が上がっているという記事です。また、9月15日の朝日新聞朝刊にも「高校国語、小説軽視の懸念」という記事がありました。

 新学習指導要領では、高校2、3年生が学ぶ選択科目は、現在の「国語表現」「現代文A」「現代文B」「古典A」「古典B」から、「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の4科目に再編されます。「現代文A」「現代文B」が論理的な思考力の育成を目指す「論理国語」と、豊かな感性や情緒を育てる「文学国語」に再編されます。これに対し、日本文学の研究者や作家などから、小説などに触れる機会が減ることを心配するだけでなく、「文学」と「論理」を対抗概念として捉えてよいのかということです。

 9月に、国立情報学研究所の新井紀子教授の『AIに負けない子どもを育てる』(2019年東洋経済新報社)が刊行されました。新井教授の『AI VS 教科書が読めない子どもたち』(2018年 東洋経済新報社)はベストセラーになりました。今回、前書を踏まえながら、新井教授が取り組んできたリーディングスキルテスト(RST)を通して、国語教育、特に高校段階における国語教育に読解力を培う授業を提案しています。リーディングスキルテスト(RST)とは、「日本語のルールに従って教科書の文章を読むことができない生徒がいるのではないか」という仮説のもと、診断法や教授法の開発を目的に設計及び調査が進められている基礎的な「読む」力を測るテストのことです。

 新井教授は、朝日新聞で報道された文学研究者の心配とは異なり、「論理国語」「文学国語」の選択がスタンダードになるのではないかと述べています。しかし、高校の国語教科書で一貫して取り上げられてきている、芥川龍之介『羅生門』、夏目漱石『こころ』、森鴎外『舞姫』、中島敦『山月記』が外せない作品とされていることに疑問を投げかけています。

 新井教授の文章を引用します。「私は、国語の先生に他科目の教科書も読み込んで、科学的文章や文明論について、表面的な読解ではなく、「なぜそうなったのか」を、高校範囲までの科学や歴史、地理、情報などの知識を総動員して、深く意味を読解する授業を展開してほしいと思っています。けれども、国語の先生がそれを一人でするのは、大変です。間違って教えては大変だ、という不安もあるでしょう。そういうときには、理科や社会の先生は、日頃から、生徒たちが教科書を読解できないと悩んでいるのですから、ぜひ国語の先生に協力してほしいのです。それが、科目横断型授業のあるべき姿でしょう。」と述べています。

 10月14日の朝日新聞の記事では、安藤宏氏東大教授が「文学を『論理的』『実用的なもの』と『文学的なもの』に分類すること自体、問題です。小林秀雄の『無常といふ事』は死生観が変容した現代人の不幸を論じていますが、『論理国語』でしょうか、『文学国語』でしょうか」と問題提起をしています。

 現在、各高校では、新学習指導要領を踏まえた教育課程の編成作業に取り組んでいると思います。国語に限らず、高校段階で知的基盤のベースを育むことができる教育課程の編成が重要だと思います。

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